C++とC#の違いについて

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C++ と C# は名前が似ているため混同されがちですが、設計思想・実行モデル・得意分野は大きく異なる言語です。

両者の違いを正しく理解するには、「文法」ではなく “何を重視して設計された言語か” から見ることが重要です。

結論から言うと、

  • C++
    ハードウェアに近いレイヤーまで制御でき、性能・メモリ効率・実行制御を最大限に追求できる言語
  • C#
    ランタイムと豊富な標準機能を活用し、高い生産性と安全性でアプリケーションを素早く構築できる言語

という性格の違いがあります。

以下、実務で差が出やすい観点ごとに詳しく見ていきます。

目次

設計思想の違い

C++:低レイヤ制御と性能最優先

C++ は、OS・CPU・メモリといった低レイヤの挙動を強く意識して設計されています。

  • メモリの確保・解放や配置を細かく制御できる
  • 実行時コストを把握しやすく、極限まで最適化可能
  • ハードウェアの能力を引き出す設計ができる

その反面、自由度が高い=誤った使い方をすると不具合や脆弱性を生みやすいという側面もあります。

C#:安全性と生産性を重視

C# は .NET ランタイム(CLR)の上で動作することを前提に設計されており、開発者が低レイヤを意識しなくても済むよう配慮されています。

  • ガベージコレクション(GC)による自動メモリ管理
  • 豊富な標準ライブラリ
  • 非同期処理や例外処理が言語機能として統合されている

結果として、「速く、安全に、読みやすいコードを書く」ことに非常に向いています。

主な用途・使われる分野

C++ が選ばれやすい分野

  • ゲームエンジン(Unreal Engine など)
  • OS・ドライバ・組み込みシステム
  • 高速ネイティブライブラリ(画像処理、音声処理、物理演算、金融系)
  • ブラウザ、データベース、仮想マシンなどの基盤ソフトウェア

性能・メモリ・レイテンシに厳しい制約がある分野で真価を発揮します。

C# が選ばれやすい分野

  • 業務アプリケーション
  • Web API / サーバーサイド(ASP.NET Core)
  • Windowsデスクトップアプリ
  • Unity を使ったゲーム開発
  • 社内ツール、管理画面、バッチ処理

開発スピード・保守性・チーム開発との相性を重視する分野で強みがあります。

メモリ管理の違い

C++:明示的管理(ただし現代的にはRAIIが主流)

C++ では、メモリ管理の責任は基本的に開発者にあります。

  • かつては new / delete を直接扱うことが多かった
  • 現在は RAII(Resource Acquisition Is Initialization)
    スマートポインタ(unique_ptr / shared_ptr) を使い、安全に管理するのが一般的

それでも、

  • ダングリングポインタ
  • 二重解放
  • バッファオーバーフロー

といった問題を起こす可能性は残ります。

C#:ガベージコレクションによる自動管理

C# では、通常のオブジェクトは GC が自動的に回収します。

  • メモリ解放忘れによるリークは起こりにくい
  • 境界チェックなどにより安全性が高い

ただし、

  • ファイル、DB接続、OSハンドルなどの アンマネージ資源
    IDisposable を実装し、using による明示的解放が必要です。

実行方式の違い

C++:ネイティブコードとして実行

  • コンパイル時に直接ネイティブコードを生成
  • 実行時にランタイムや JIT を必要としない
  • 起動が速く、実行時の挙動が予測しやすい

ただし、

  • OS や CPU が変われば基本的に再ビルドが必要
  • 依存ライブラリの管理が難しくなりがち

という点には注意が必要です。

C#:IL → JIT(または AOT)

C# は通常、

  1. コンパイル時に IL(中間言語) を生成
  2. 実行時に CLR が JIT コンパイル してネイティブコード化

という流れで動作します。

近年は Native AOT により、

  • 実行時 JIT を使わず
  • publish 時にネイティブコード化し
  • 自己完結型バイナリとして配布

することも可能になっています。

パフォーマンスの考え方

  • C++
    理論上の性能上限が非常に高く、
    レイテンシやキャッシュ効率を極限まで詰められる
  • C#
    ランタイムの最適化が進み、
    Web/API・業務アプリでは十分すぎる性能を出せるケースが多い
    ただし GC の挙動がレイテンシに影響する場面もある

「常にどちらが速い」という単純比較はできず、用途次第です。

開発体験と保守性

C# の特徴

  • 言語仕様と標準ライブラリの統一感が強い
  • IDE 支援が充実
  • 非同期処理、LINQ、例外処理などが標準化されている

チーム開発・長期保守に向く

C++ の特徴

  • 表現力が非常に高い
  • 書き方の自由度が高く、プロジェクトごとの差が出やすい
  • ビルドや依存管理の設計が重要

高度な設計力と運用ルールが必要

学習コストの違い

  • C#
    初学者でも比較的入りやすく、
    「まず動くものを作る」までが速い
  • C++
    メモリ・寿命・未定義動作などの概念が多く、
    腰を据えて学ぶ必要がある

まとめ:どちらを選ぶべきか

目的おすすめ
Web / API / 業務アプリC#
Unity ゲームC#
Unreal / ゲームエンジンC++
組み込み / OS / 高速処理C++
長期保守の業務システムC#

統括

  • C++ は「制御と性能を極限まで追求する言語」
  • C# は「安全性と生産性を最大化する言語」

どちらが優れているかではなく、「何を作り、どこで動かし、誰が保守するか」 によって最適解が変わります。

以上、C++とC#の違いについてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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