Pandasは、Pythonでデータ分析を行うための強力なライブラリであり、様々な統計量の計算を簡単に行うことができます。
Pandasを使用することで、データセットの基本的な統計的特性を理解し、データの傾向やパターンを把握することが可能になります。
目次
Pandasで利用可能な主要な統計関数
記述統計
.describe()
: データフレームの各列に対する基本的な記述統計量(平均、標準偏差、最小値、第1四分位数、中央値、第3四分位数、最大値)を提供します。.mean()
: 平均値を計算します。.median()
: 中央値を計算します。.mode()
: 最頻値(最も頻繁に出現する値)を求めます。.std()
: 標準偏差を計算します。.var()
: 分散を計算します。.sum()
: 合計値を計算します。.min()
,.max()
: 最小値と最大値をそれぞれ計算します。.quantile()
: 指定された四分位数の値を計算します。
集計関数
.count()
: 非欠損値の数を数えます。.value_counts()
: ユニークな値の出現回数を数えます。
相関関係
.corr()
: 列間の相関係数を計算します。.cov()
: 共分散を計算します。
Pandasの統計量の使い方
Pandasでは、データフレーム(DataFrame
)またはシリーズ(Series
)オブジェクトにこれらの統計関数を適用することができます。
例えば、以下のようなコードでデータセットの平均値や標準偏差を計算することができます。
import pandas as pd
# データフレームの作成
data = {'a': [1, 2, 3, 4, 5],
'b': [5, 4, 3, 2, 1]}
df = pd.DataFrame(data)
# 平均値と標準偏差の計算
mean_values = df.mean()
std_deviation = df.std()
print("Mean Values:\n", mean_values)
print("Standard Deviations:\n", std_deviation)
高度な統計メソッド
グループ化と集計
groupby()
: データを特定の列の値に基づいてグループ化し、それぞれのグループに対して統計関数を適用します。これにより、カテゴリ別の統計分析が可能になります。pivot_table()
: データをピボットテーブル形式で再構成し、複数の変数間の関係を要約します。
ローリング統計と時系列分析
rolling()
: 移動平均や移動標準偏差などのローリング統計を計算します。これは、時系列データのトレンド分析に特に有用です。expanding()
: 累積統計(例:累積平均)を計算します。
欠損値の統計
isna()
,notna()
: データの欠損値を識別し、それに基づいて統計を取ることができます。fillna()
,dropna()
: 欠損値を処理する方法として、値を埋めたり、欠損値を含む行や列を削除したりします。
注意点
- Pandasの統計関数はデフォルトで欠損値を無視します。
NaN
値が含まれている場合、それらは計算から除外されます。 - 統計量を解釈する際には、データの分布や外れ値の影響を考慮することが重要です。
- データが大規模である場合、一部の統計計算は計算時間がかかる場合があります。
以上の点を踏まえ、Pandasを使用してデータセットの統計的分析を行うことで、データの特性を深く理解し、より洞察に富んだ分析を行うことができます。
以上、Pandasの統計量についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。