Python(パイソン)というプログラミング言語の名前の語源は、意外にも「ヘビ(ニシキヘビ)」ではなく、イギリスのコメディ番組に由来しています。
以下に、その由来について詳しく解説します。
目次
Pythonという名前の語源
コメディグループ「モンティ・パイソン」からの命名
Pythonという名前は、オランダ人のプログラマ グイド・ヴァンロッサム(Guido van Rossum) によって命名されました。
彼は1989年のクリスマス休暇中に、自身が趣味で作り始めていたスクリプト言語に名前をつける必要がありました。
当時、彼がよく観ていたのが、「Monty Python’s Flying Circus(空飛ぶモンティ・パイソン)」というイギリスの伝説的コメディ番組でした。
「短くて覚えやすく、ちょっと風変わりでユーモラスな名前にしたかった」
— グイド・ヴァンロッサム
この番組を制作したコメディグループ「Monty Python(モンティ・パイソン)」」の名前から取って、彼は自身の新しい言語に 「Python」 と命名しました。
「ヘビ」は実は関係ない?
多くの人が「Python」という名前から「ヘビ(ニシキヘビ)」を連想しますが、これは後付けのイメージです。
- 実際、Pythonの公式ロゴには2匹のヘビが描かれているため、混同されやすいですが、それは視覚的なメタファーとして後から使われるようになっただけで、語源自体には全く関係ありません。
- ドキュメントやコード例などに登場する例示にも、時折「スパム(spam)」や「卵(eggs)」など、モンティ・パイソンのスケッチに出てくる言葉が使われています。
命名時の背景と開発の文脈
- 1980年代末、グイド・ヴァンロッサムはCWI(オランダの国立研究機関)で働いており、ABC言語という教育向けのプログラミング言語に関わっていました。
- ABCの経験を踏まえ、彼は「簡潔で読みやすく、初心者でも扱える強力な言語」を目指してPythonの開発を始めました。
- 彼にとって、Pythonはあくまで趣味プロジェクトでした。軽快さと親しみやすさを反映する名前として、「Python」は非常に適していたと言えます。
名前が与える印象とその後の影響
Pythonという名前は、
- 短くて覚えやすく、
- 技術的すぎず親しみやすい印象を与える、
- さらにユーモアやクリエイティビティを尊重する文化を連想させる、
という点で、言語の開発哲学とも一致していました。
この名前の選択は、開発者コミュニティに「楽しくプログラミングを学べる言語」というブランディングを根付かせるのに一役買ったといえるでしょう。
補足:PythonコミュニティとMonty Python文化
Pythonコミュニティでは、「モンティ・パイソン」ネタがいくつかお約束的に使われます。
用語 | 意味(元ネタ) |
---|---|
spam | 無意味な入力データや例示文字列(コントの「スパムばかりのメニュー」より) |
eggs | 変数名や関数例で使われる(同上) |
“Nobody expects the Spanish Inquisition!” | 思いがけないエラーやジョークとして引用されるセリフ |
まとめ

項目 | 内容 |
---|---|
名前の由来 | イギリスのコメディ番組「Monty Python’s Flying Circus」 |
命名者 | グイド・ヴァンロッサム |
命名理由 | 短く覚えやすく、ユーモラスで親しみやすい名前にしたかったため |
関連する文化 | Monty Pythonネタをコード例やコミュニティで多用 |
ヘビとの関係 | 名前の語源とは無関係。ロゴや視覚表現として後に定着 |
以上、Pythonの語源についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。